シリアル解読
ヤマハのシリアルについて
ヤマハのシリアルは年代で表記の仕方が変わったり管理番号が入ったりとややこしいですがわかる限り解説します。(古いシリアルはメーカーにも詳しい資料は残ってない様なので可能性が高いものを載せていますが内容が間違っていても一切の責任は負いかねますのでご了承ください。)
赤ラベル期のシリアルは通常サウンドホール内のネックヒールに5~7桁のシリアルナンバーのスタンプが押され、8桁シリアルは指板の裏の力木に押されています。また両方にスタンプされているものもあるようです。
シリアルの頭にTというアルファベットが押されているものは輸出モデルです。(シリアルはクラシックギター、フォークギター共にに使われています。)
1984年頃から使われだしたアルファベット混合シリアルのアルファベットは下記の数字を表しています。
H=1、I=2、J=3、K=4、L=5、M=6、N=7、O=8、P=9、Q=0、X=10、Y=11、Z=12
数字が12まであるのはアルファベットで1月から12月を表していたためです。
天竜工場製(静岡県浜松市)
1948年代~1970年
5~7桁シリアル
5桁シリアルはFGの前身であるダイナミックギターで使われていたシリアルでダイナミックギターからそのままFGに引き継ぐ形で5桁から6、7桁なりました。6、7桁シリアルは赤ラベル時代の後半まで使用されそのまま8桁シリアルに移行しています。
5~7桁シリアルはいろいろな憶測が出されていますが私は通し番号説が一番有力と考えます。(5桁シリアルは開発者の雑誌でのインタビューにより通し番号と確定)
今までの説は後に出てくる8桁5桁シリアルと同じように考えていたため頭文字が5の場合1965年製と販売していない年代のライトグリーンラベルの説明がなされたりしていました。また、ボディ内部に年月日が書かれているFGがあるのですが頭文字が5の6桁シリアルでもボディ内部の年代が66年のものがあり、こちらも頭文字が年代という説を覆すものになります。
通し番号説の根拠はまずダイナミックギターよりもFGのほうが数字が大きく、ライトグリーンラベルはシリアルが62XXXXくらいまで確認され、私の持っているライトグリーンラベルから赤ラベルに変わる時の平体ロゴ赤ラベルのシリアルは60XXXX、長体つり鐘ロッドカバーの初代赤ラベルは最小61XXXXでした。その後マイナーチェンジをしていきますがしていくごとに数字が上がり5桁から6桁さらに7桁とマイナーチェンジの年代と照らしあわせると徐々に数字が増えていきます。この数字の増え方はすべてのギターがカウントされていたようでそれもFG-140やFG-110などの発売時期、マイナーチェンジ時期でも同じ増え方をしているのがわかります。
つまり5~7桁のシリアルは全てのギターの生産台数順ということになります。
初期のFGはシリアルが若ければ古いということになりますがシリアルで解明するよりもマイナーチェンジで調べたほうが確実です。
(ただしライトグリーンラベルのシリアルが62XXXXも確認されており、ある時期を境にラベルを変えたというよりは徐々に変えていったと思われます。)
1971年~1972年
8桁シリアル
1010XXXX(71年)
頭数字が西暦、残りは管理番号を表しています。
ボディ内部に年月日が書かれていることがあります。上記のシリアルには46.6.XXとスタンプが押してありました。内部のスタンプは昭和46年6月なので1971年とシリアルの西暦と合っています。
およそ内部はボディが完成した日でシリアルは出荷できる状態につけられるため若干の誤差がある場合があります。
1971年~1973年
8桁シリアル
20523148
頭数字が西暦、2、3桁は月、4、5桁は日付を表します。
最後の下3桁はその日の生産台数である管理番号を表しています。
上記シリアルは1972年5月23日の148本目ということになります。
1973年~1984年
5桁シリアル
8桁シリアルから管理番号の下3桁を抜いただけで他は同じです。
1969年~1984年
6桁シリアル
790401
頭二文字が西暦、その次の2桁が月、次の2桁が生産台数です。
主にクラシックギターに使われていたと思われます。
1985年~1986年
6桁シリアル
850001
頭二文字が西暦、次の4桁が生産台数です。
主にクラシックギターに使われていたと思われます。
高雄ヤマハ製(台湾高雄工場)
1970年頃から工場が台湾に作られ徐々にギター製造の拠点が台湾に移行していきました。82年以降にはFGほぼ全てを生産する工場になりました。(2007年3月に生産終了、解散)
1971年~2001年
8桁シリアル
10821001
頭文字が西暦、その次の2桁が月、次の2桁が日、さらに次の3桁が生産台数です。
2001年~2007年3月
混合9桁シリアル
QKJ227001
頭アルファベット2桁が西暦、その次のアルファベットが月、次の2桁が日、さらに次の4桁が生産台数です。(生産台数は毎月7001から始まります。)
H=1、I=2、J=3、K=4、L=5、M=6、N=7、O=8、P=9、Q=0、X=10、Y=11、Z=12
YMMI製(ヤマハミュージックマニュファクチュアリングインドネシア)
YMMIとは2007年3月に生産終了した台湾の高雄工場に変わりこれからギター製造の拠点になる所です。
1990年~1996年
8桁シリアル
20614001
頭文字が西暦、その次の2桁が月、次の2桁が日、最後の3桁が生産台数
1997年~1999年
9桁シリアル
803240001
頭文字が西暦、その次の2桁が月、次の2桁が日、最後の4桁が生産台数
2000年~
10桁シリアル
0005300001
頭2文字が西暦、その次の2桁が月、次の2桁が日、最後の4桁が生産台数
2001年~
混合9桁シリアル
QIN210001
頭アルファベット2桁が西暦、その次のアルファベットが月、次の2桁が日、最後の4桁が生産台数
H=1、I=2、J=3、K=4、L=5、M=6、N=7、O=8、P=9、Q=0、X=10、Y=11、Z=12
ヤマハミュージッククラフト新田工場製(静岡県浜松市)
ヤマハミュージッククラフト新田工場とは主にThe FGなどのカスタムギターやミュージシャン用のギターを制作している工場です。
1997年~1999年
混合6桁シリアル
PO501J
頭文字アルファベットが西暦、その次のアルファベットが月、次の3桁が生産台数、最後のアルファベット(J)は日本製の意味です。(生産台数は毎月501から始まります。)
H=1、I=2、J=3、K=4、L=5、M=6、N=7、O=8、P=9、Q=0、X=10、Y=11、Z=12
1999年~
混合5桁シリアル
PL201J
頭文字アルファベットが西暦、その次のアルファベットが月、次の3桁が生産台数です。(生産台数は毎月201から始まります。)
H=1、I=2、J=3、K=4、L=5、M=6、N=7、O=8、P=9、Q=0、X=10、Y=11、Z=12
2001年~
混合7桁シリアル
QIJ001A
頭文字アルファベット2桁が西暦、その次のアルファベットが月、次の3桁が生産台数、最後のアルファベット(A)は日本製の意味です。
H=1、I=2、J=3、K=4、L=5、M=6、N=7、O=8、P=9、Q=0、X=10、Y=11、Z=12
カスタムシリアル
高級ラインの中にはWシリアルと言う力木と皮ラベルの両方にシリアルが記載されているものがあります。力木のシリアルは年代、月と高級ライン生産台数、皮ラベルのシリアルはカスタムの生産台数を表します。
高級ライン、カスタムラインは1985年ぐらいまで皮ラベルに製造年が記載されてますが1986年頃以降は製造年が記載されなくなりシリアルナンバーのみ記載されるようになりました。
生産台数の台数はフォーク、クラシックがカウントされてます。
1941年~1965年
この時期にはシリアルが存在しません。
1966年~1985年
連番で生産台数順に番号が付けられています。001~1042まであります。
1986年~1990年
混合5桁シリアル
L7028
頭アルファベットが月、その次が西暦、次の3桁が生産台数
表と合わせると1987年5月の28本目ということになります。
H=1、I=2、J=3、K=4、L=5、M=6、N=7、O=8、P=9、Q=0、X=10、Y=11、Z=12
1991年~1996年(2002年)
混合6桁シリアル
混合5桁シリアルから最後にアルファベットが加わり記載が「LY020J」と変わりました。
同じように頭文字が西暦、その次が月、次の3桁が生産台数、最後のアルファベット(J)は日本製の意味です。
H=1、I=2、J=3、K=4、L=5、M=6、N=7、O=8、P=9、Q=0、X=10、Y=11、Z=12
1997年~2003年
今度はまた最後のアルファベットがなぜか抜けて5桁シリアルに戻りました。表記のしかたは以前と同じで頭文字が西暦、その次が月、次の3桁数字が生産台数
2004年~
QKP001C
頭にQが使われ西暦の04が表記されるようになりました。
頭文字QKが西暦の04、その次が月、次の3桁が生産台数、最後のアルファベット(C)は日本製の意味です。
H=1、I=2、J=3、K=4、L=5、M=6、N=7、O=8、P=9、Q=0、X=10、Y=11、Z=12
不明シリアル
ヤマハにはいくつかカタログや資料に残っていないシリアルが存在します。主に通し番号のようですが当てはまらないものもあり詳細は不明です。
Tシリアル
T00000など頭にTのつく輸出専用機は解読法がよくわかりません。
およそ日本で作られ海外に輸出したものと思われスペックなどは同じですがブランドの認知を高めるためか日本では音叉マークの機種でもYAMAHAの長体ロゴに変更されていたり、ヘッドの裏に「made in Japan」と刻印されているものがあります。赤ラベルの時代に使われました。
輸出機7桁シリアル
台湾製に存在するものの解読法がわかりません。
全て数字のようです。
赤ラベル11桁シリアル
赤ラベルは8桁までのシリアルですが少数に11桁シリアルが存在します。特に赤ラベル後期に見られますが個体数が少なくわかりません。スペック自体は変化ありません。
アルファベットシリアル
84年以前にT以外のアルファベットが入ったシリアルが存在しますが84年の表にないアルファベットで構成されていて詳しくわかりません。